山の道具

Snow Plak スノープラック

雪上歩行のアイテムで近年登場した「Snow Plak」という道具があります。

登山靴より大きく、U字型をした一枚プレートにギザギザの刃が刻まれています。

中央に渡るバーに、登山靴の土踏まず部分を乗せて左右のベルトで靴に装着をします。

SNOW PLAK(スノープラック) Approach(アプローチ) oxtos Ver.

ワカンやスノーシューズより軽くてコンパクトな「スノープラック」

スノープラックの実際の使用感と、ワカンとの履き比べをして来ました。


前夜の降雪で、道具を試すにはベストなタイミングになりました。

背中にはラチェット式ワカン、手にはスノープラックを持って山へと向かいます。

程よい雪上に出たので、早速スノープラックを装着します。

中央に渡った金具にソールの窪みに合わせて靴を乗せて、左右のベルトを踵から前へ回して、つま先へと持ってきます。

つま先に付いているループ状のベルトに一方のベルトを通して、反対ベルトの金具に引っ掛けます。

なんと、片足1分で装着が出来ました!


では、雪道を歩いてみたいと思います。

快調に沈まず歩けます。

特にワカンとの違いは感じられません。

内側のプレートがあるので足幅を広く意識した足運びになりますが、すぐに慣れます。

そもそも本体が軽いため、足使いの取り回しがし易いですね。

急登も登ってみます。

薄いプレートが雪面へしっかりと刺さって、深く蹴り込めます。

差し込んだ足を運ぶのに抜いて上げる動作になる感じですが、こちらも軽さと取り回しやすさで気になりません。


ここで実験。

片足にスノープラック、もう片足にワカンを装着して歩き比べてみたいと思います。

ワカンはoxtosラチェット式ワカンを使用します。

oxtos(オクトス)アルミわかんラチェット式Pro plus OX-098

右左で特に歩行の違いは感じられません。

沈み具合は隙間の多いワカンが若干沈む感じですが、誤差にもならない感じですね。

逆にスノープラックには隙間がないので雪が上に乗ってきますが、気になりません。

踏んだ足跡の深さを、ストックで比べてみました。

若干にワカンの沈みが0.5インチ深い数値です。


雪上ランチ休憩を一服。

普段、雪山へはBCで行くことが多いのですが、久しぶりの雪上ハイキングと、新しいアイテムが楽しくて、よく歩きました。

片足にワカン、片足にスノープラックを履いているヘンテコな絵面も面白いですね。


下り道も、双方しっかりと雪を受け止めてくれます。

走り下りても、スノープラックとラチェット式わかん共に、ズレる事もありませんでした。

スノープラックとワカンを履き比べた感想は、性能的にはワカンと遜色ないと思いました。

両者を比べて一番に感じたこと事は、携帯性の違いです。

スノープラックはとにかく軽くてコンパクトで、圧倒的に携帯性に勝ります。

次に実感したことは、装着の速さです。

シンプルな装着方法ですが歩行中にズレないのもポイントが高いですね。

ただし、スノープラックの刃は縦方向のみ噛むので、融雪時期などの緩い雪には噛まずに滑りそうです。踵部分が無いのも滑る原因そうですね。

今回は、アイゼンの併用をせず使用しました。

アイゼンの併用が必要なシーンでは組み合わせて使う事で、より強固なグリップ力を発揮しますが、シンプルにスノープラック単体で使用は、とてもスペックが高いことが分かりました。

日本の雪質とヨーロッパの雪質は異なりますので、改良などを加えることによって更に日本の雪質に合う道具へと進化しそうなアイテムと感じました。

YouTubeに実際に履き比べをした動画をアップしております。

良ければぜひご視聴ください。